児童手当の現況届が廃止?特例給付の所得基準が変わるのはいつから?
児童手当とは中学校卒業までの児童を養育している人に対して国から支給される手当で、母子(父子)家庭に関係なく、全家庭に支給されています。
2022年から給付を受けるために必要な現況届の廃止や、特例給付の一部廃止などが決まりました。
ここでは変更点や注意点についてお伝えします。
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もくじ
児童手当の現況届が廃止!
児童手当を受給する為には、毎年6月に自治体へ「現況届」の提出が必要でした。
それが2022年6月から、「現況届」の提出が原則廃止となる事が決まりました。これは、国民の利便性や行政事務の簡素化を目的としています。
ただし、例外もあります。該当する方は提出を忘れないようにしなければ、支給停止になることもありますので注意が必要です。
<現況届原則廃止後も提出が必要な方>
- 6月1日現在で離婚協議中で配偶者と別居中の方
- DV避難者で住民票の住所地と異なる自治体で受け取る場合
- 無戸籍児童
※原則廃止の最終判断は自治体に委ねられていますので、分からない事や不明点は自治体に確認しましょう。
児童手当「特例給付」の所得基準が変わるのはいつから?
今回の現況届の廃止のほかに、もう一つ大きな変更点があります。
高所得者が受け取ることができる特例給付の所得基準が変更になり、一部廃止となります。
2022年10月支給分(6~9月)から新基準での支給になります。
受給対象から外れるかどうかは、自治体からおおむね夏ごろまでに各家庭に通知が届く予定となっています。
児童手当「特例給付」の所得基準「変更点」
変更になった部分は以下のとおりです。
<現行>
・年収1200万以上 → 一律5000円支給
<2022年10月~>※子供2人の専業主婦世帯の場合(年収103万円以下)
- 年収960万~1200万 → 5000円支給
- 年収1200万以上 → 0円(廃止)
※目安となる収入額は960万円(所得額+給与所得控除額等相当分)
※収入額はあくまで目安なので、実際は所得額で適用を受けます
※夫婦のうち年収が高い方の収入で計算することになっています
※会社員などで収入が給与所得の場合の目安。自営業など所得や控除計算が異なる場合は基準が異なります
共働きで妻が扶養を超えて稼ぐ(103万以上)場合は要注意!
共働きで、扶養を超えて稼いでいる場合は要注意!です。
児童手当の所得制限の基準額は、扶養家族の数に応じて異なります。夫婦と子どものみの世帯の場合、専業主婦なら妻と子どもが扶養家族になりますが、妻の年収が103万円を超えると扶養から外れるので扶養は子供だけになります。
その場合、所得制限の基準額が低くなるので、子ども2人の場合には年収1,162万円以上で児童手当の支給対象外となります。
通常の児童手当を受給できる所得制限の基準額も年収917.8万円までなります。
専業主婦世帯に比べて基準額が低くなってしまうんです。
上記をまとめると、
児童手当 | (例)専業主婦+子供2人(年収103万以下) | (例)専業主婦+子供2人(年収103万以上) |
給付対象外 | 年収1200万円~ | 年収1162万円~ |
特例給付 | 年収960万円~1200万円 | 年収917.8万円~1162万円 |
給付対象者 | ~年収960万円まで | ~年収917.8万円まで |
いったん支給対象外になった場合「再申請」する必要がある
高所得により支給対象から外れてしまうと、児童手当の受給資格を失ってしまいます。
いったん受給資格を喪失した場合は再申請の手続きをしなければ児童手当は貰えませんので注意が必要です。
例えば、所得が上がって給付対象外になり、翌年年収が下がったことでまた給付対象になった場合、再手続きをしないと児童手当は貰えません。そのままずっと貰い損ねてしまうということになりかねませんので、ここは自分でしっかりチェックして、貰えるものは貰いましょう。
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児童手当給付金の変更点「まとめ」
- 2022年6月から原則「現況届」の提出は不要 ※例外あり
- 2022年10月支給分(6~9月分)から特例給付金の基準額が変更になる
今回の特例給付見直しの背景には、社会保障費の急激な増加を受けて支出の中身を見直す必要があったからでした。
年収が高い世帯ほど支給された児童手当を「使う必要がなく残っている」という回答が多くなっています。
少子高齢化が進み、税金を納める若者が減っているのに社会保障費の支出は増えていく一方で、今後も何かしらの制度改正などがあるかもしれません。
給付金などお金に関係することは私たちにとってもすごく大切な問題なので、つねにアンテナを張って情報をキャッチしたいですね。
※社会保障費とは・・年金・医療・介護・子育て等の社会保障に関する国の1年間の支出のこと